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2020年基準地価から読み解く、土砂災害リスクで地価が大幅下落する時代-土砂・水害と宅地建物取引の相関関係

異常気象の影響からか、水害のニュースを頻繁に目にするようになりました。ここでは、土砂・水害と宅地建物取引の相関関係を、基準地価から読み解いていきたいと思います。

2020年基準地価、全国下落率トップの住宅地は?

国土交通省が9月29日に発表した、都道府県地価調査(基準地価、調査時点=2020年7月1日)結果によりますと、全国の住宅地の下落率トップがなんと東京都内の住宅地でした。
人口の増加が続く東京都とは不思議な感覚になりますが場所はどこでしょう。答えは東京の西のはずれ、八王子に近い日野市の「日野-10」という地点(基準地点)になります。
この地点の具体的な住所ですが、国土交通省が公表しているので引用しますと、「日野市平山6丁目27番15」という場所です。地価はどの程度なのでしょうか。7月1日時点の㎡当たりの価格(基準地価格)は「8万円」で、前年(令和元年)の価格が「9万8000円」でしたので、なんと18.4%も下落してしまいました。

続いて東京圏では2番目の下落率となる住宅地の地点も、同じ日野市内にあります。「日野-15」(日野市南平2丁目19番6)というところで、こちらの㎡当たりの価格は「11万6000円」となっています。
前年の価格は「12万6000円」でしたので、実に7.9%も下落したことになります。

共通点は「土砂災害リスク」

この日野市内の2地点の下落幅が大きかったことについては、共通の理由があります。どちらもがけ崩れの危険のある急傾斜地に隣接しているということです。

国土交通省では、両地点について「日野市では、土砂災害リスクが周知され、取引水準が低下し、地価が大きく下落した地点が見られる」国土交通省ホームページ)とコメントしています。

まず「日野-10」とはどのような場所なのでしょうか。京王線・平山城址公園駅から徒歩13分程度とそう距離は離れておらず、戸建てを中心とした既成の市街地になっています。
ですが北傾斜の急斜面に住宅が密集しており、この地点の周辺ではここ数年の台風などで土砂崩れが頻発。そのため土地の買い手がつきにくく、「周辺の不動産取引価格が明らかに下がっている」(国土交通省・地価調査課)というのです。
さらにこの場所の北側には一級河川・浅川が流れており、土砂災害に加えて水害のリスクも考えられる立地です。

「日野-15」については、こちらも京王線の南平駅から徒歩14分と、けっして不便な場所ではなく、整然と区画割りがなされた低層の一戸建てからなる閑静な住宅街です。
こちらは「日野-10」とは異なり付近に水害をもたらしそうな大きな河川はありません。ただしこの地点は市街地の南側に急傾斜の山が存在し、日野市ではこの山の麓付近を、急傾斜地の地盤の崩壊の危険性がある「土砂災害特別警戒区域」(レッドゾーン)に指定しています。

この住宅地は高度成長時代に多摩丘陵の山岳地帯を切り開いて造成した場所になりますが、近年頻発する大型台風や豪雨により住むには危険な場所となってしまいました。

ハザードマップの説明義務化、土砂災害に加えて水害も

国はこのような人間が生命を失いかねないリスクのある場所の宅地建物取引を規制する動きを強めています。
まず先の日野市の下落地点のように、土砂災害の危険性の高いエリア、所謂レッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)およびイエローゾーン(土砂災害警戒区域)は宅地建物取引業務における重要事項説明のなかに組み込まれ、説明が義務化されています。

日本では人間が住む場所は人それぞれ自由とされているのですが、宅地建物取引において「地面が崩壊する可能性が高く、その場合は生命または身体に危害が生じる恐れがあります。自治体が定めている警戒避難体制を熟知してください」などと説明を受ければ、その土地の購入は躊躇してしまうでしょう。

なおハザード情報の説明は土砂災害だけではありません。今年8月28日の宅地建物取引業法の施行規則の一部改正により宅地建物取引業者の重要事項説明の義務に新たに加わったものとして、「水害ハザードマップ」があります。

水害ハザードマップとは、想定できる最大規模の洪水や内水氾濫、高潮などが発生した場合の浸水想定区域を示す図面で、市町村(自治体)単位で作成し公表しているものです。
ある一定の雨量において、浸水想定区域はどこになるのかに加え、どの程度の深さまで浸水するか、浸水している時間や避難の経路、避難場所などが示されています。

宅建業者は、取引の対象となる土地や建物について、自治体が作成したハザードマップ上のどの位置に存在するか、水害ハザードマップを用いることで、水害リスクに関する説明を不動産契約の締結前までに行わなければならないこととされています。

なお自治体によってはハザードマップが存在しないところもあり、その場合は、ハザードマップが存在しない旨を説明しなくてはなりません。

水害ハザードマップの説明義務化のきっかけは2018年7月の西日本豪雨、2019年9月の台風15号、同10月の台風19号という近年頻発している巨大な豪雨災害の経験です。台風19号では神奈川県川崎市・武蔵小杉のタワーマンションのエントランスが水没、電気関係設備が浸水したことでエレベーターが使用できなくなるなど、大都市でもおおきな災害をもたらしたことは記憶に新しいところだと思います。

なお水害ハザードマップは国が一律で作成しているものではなく、自治体ごとに作成しているため、自治体によってハザードの基準が異なっています。
例えば集中豪雨による内水氾濫がたびたび発生している東京・杉並区では、昨年に区内のJR阿佐ヶ谷駅付近で発生した、30分間で約85ミリの豪雨を念頭に、「1時間で170ミリの雨が降った」という想定で浸水想定区域、想定される浸水深を水害ハザードマップに示しています。

まとめ

不動産の購入を検討する際は、自治体のホームページで水災害のハザードマップ情報を確かめ、自分の身を守ることを考えておく必要があります。
ひとたびハザードマップに載れば先の日野のように資産価格にも影響を与えるので、資産の防衛という意味でもハザードマップをしっかり確かめましょう。

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